@article{oai:kobe-c.repo.nii.ac.jp:00002037, author = {難波江, 和英 and NABAE, Kazuhide}, issue = {1}, journal = {神戸女学院大学論集, KOBE COLLEGE STUDIES}, month = {Jun}, note = {P(論文), 本稿は、「現代思想のパフォーマンスージャン・ボードリヤールー案内編・解説編」の第二篇として、現代の視点からジャン・ボードリヤールの『誘惑について』に託されたメッセージを解読する試みである。第一篇では、『物の体系』から『消費社会の神話と構造』を経て『シミュラークルとシミュレーション』へ至るプロセスを対象とした。この第二篇では、ポストモダニズムのモードからゲームのモードへの架橋となる理論書として『誘惑について』を対象とし、「生産」の概念を無効にする新しい概念として「誘惑」を打ち出したボードリヤールの戦略を説明する。『誘惑について』は、「性の黄道」、「表層的な深淵」「誘惑の政治的運命」という三部から構成されている。これらについて、それぞれ焦点を定め、ボードリヤールの「誘惑」を多角的に再構成して、その現代思想としての意義を提示する。第一部では、「誘惑」と「女性的なるもの」、「女性的なるもの」と「シミュレーション」、「誘惑」と「生産」、第二部では、ラカンへの批判、「真理」と「シミュレーション」、キルケゴールの『誘惑の日記』、第三部では「法」と「規則」をポイントにする。第一部では、精神分析が性の言説を生み出す「生産」の装置であることを指摘し、その支柱となる「男性原理」と「女性原理」の二項対立を内から崩す「無=意味」の働きとして「女性的なるもの」を論じる。第二部では、ラカンの精神分析もまた、意味の生成という「生産」の原理を継承していることを指摘し、「意味の吸収」としての誘惑を対置する。そこから、真理の実在は、真理の中心となる「空虚」によって保証された擬制であることを論証する。第三部では、「生産」の原理を「法」と規定して、必然性、不可逆性、禁止、抑圧、直線の連続性、目的性、正当性にその特徴を見ると同時に、「誘惑」の原理を「規則」と想定して、偶然性、可逆性、循環、反復、無目的性、眩暈、儀礼にその特徴を見る。結論として、現代の消費社会で、「誘惑」の衰弱を「誘惑」の運命として生きる現代人の運命を描出する。}, pages = {151--168}, title = {現代思想のパフォーマンス-ジャン・ボードリヤール-案内編&解説編(2)}, volume = {60}, year = {2013}, yomi = {ナバエ, カズヒデ} }