@article{oai:kobe-c.repo.nii.ac.jp:00002039, author = {田邊, 久美子 and TANABE, Kumiko}, issue = {1}, journal = {神戸女学院大学論集, KOBE COLLEGE STUDIES}, month = {Jun}, note = {P(論文), G.M.ホプキンズは1862年、オックスフォード大学在学中、18歳の頃に、"A Vision of the Mermaids" を執筆した。本稿では、後の作品と異なるこの初期の詩に焦点を当て、詩人ホプキンズの印象と主観性に対する意識を、ペイターの印象主義やコールリッジの想像力説の影響と絡めて考察することにより、"vision" (幻覚)としての人魚の描写を解釈する。"A Visoin of the Mermaids" において、「私」の視点から流動する客体が描写されているが、これは主体の想像力の働きによるものであり、The Renaissance におけるペイターの印象主義に見られる流動性は、Biographia Literaria におけるコールリッジの想像力の定義と一致する。想像力は主体の作用であり、流動的な印象となるが、これに対し、空想は客体の固定制と関連し、自我や主観は排除される。"A Vision of the Mermaids" を創作した時点では、ホプキンズはロマン主義的な想像力で主観的・流動的にしか客体をとらえることができておらず、主体である「私」の悲しみは、ロマン主義の影響から逃れられない詩人ホプキンズの悲しみ・葛藤をも表していると考えられる。ホプキンズにとって詩は神とつながる手段であった。彼は英国国教会からローマ・カトリックに改宗し、イエズス会に入会した1863年以降、自我と主観を排除した詩学である空想をその詩語として採用する。しかし、"A Vision of the Mermaids" においては、ホプキンズはまだこのような見解にたどり着いていないのである。さらに、人間の想像上の産物としての人魚は、ホプキンズの想像の問題にとどまらず、"A Vision of the Mermaids"における人魚の描写は独自性を持ちつつも歴史的な人魚のイメージと関連する。人魚は詩人や芸術家の主体が作り出す想像の表象であり、詩人の生み出す流動的な想像の中心的イメージとして描写されている。この後、ホプキンズはキリストに救いを求め、空想の概念を発展させることにより、ロマン主義から離脱し、独自の詩学と隠喩表現を発展させることになるのである。}, pages = {179--192}, title = {A Vision of the Mermaidsにおける詩人の想像}, volume = {60}, year = {2013}, yomi = {タナベ, クミコ} }