@article{oai:kobe-c.repo.nii.ac.jp:00002089, author = {BRODERICK, Catherine}, journal = {女性学評論, Women's studies forum}, month = {Mar}, note = {P(論文), アリス・ウォーカーが語る声の真実性、確実性は、本人のアメリカ南部のごくいなかの貧困な生活の経験と、そのような生活をのり越えようとした彼女の母親の勇気と、アリスに対するいろいろな形の努力とが基盤になってアリスを力づけた。『カラー・パープル』は第一にそのテーマであるシーリーが、貧困の中に生き、しかもあまり美しくない女性にも拘らず、他の人を幸せにし、自らも幸せになるという話。第二に黒人の話し方の形式で書かれていること。第三にいわゆる小説のスタイルではなく、ごく普通の女性の日常生活の中の事柄の積み重ねであること。以上三つの要素は、二つの女流文学の影響から生み出されたものと言える。つまりその一つは英文学からの影響としての『ジェーン・エアー』であり、他は黒人女流作家のゾラニール・ハーストンの「フォークロアの研究」である。『カラー・パープル』という小説はひとりの女性が自分の声を見出して、それを捕え、その一つ一つの経験を恰(あた)かも手仕事のパッチワークキルトを作るように、芸術作品を創造して行ったのである。小説のテーマは、一人の女性が自らの声で自己を確立していったということにある。二人の姉妹は主人公の表裏一体を表すもので、一人の主人公の両面性を示す"文学的共鳴"であり、これはジェーン・エアーと、ベルタ・ロチェスターとの"文学的共鳴"を再現すると言える。二つの小説を比較すると多くの相似点が見出される。たとえば、「クラシック」な女性のめざめ方のパターンである。つまり、怒り-声-行動-自由-人間関係-そして幸せ、という型を示す。『カラー・パープル』は主題として特に一般的な人種差別、暴力の話ではなく、家庭内に於ける女性の生活の中で自分を見つけ、様々の経験を通してみがかれ自立していく過程での種々の人間関係を描いていく。その著者自身の言葉のように「サイキ」つまり精神の平和的和合を示していると言える。}, pages = {21--38}, title = {READING ALICE WALKER'S THE COLOR PURPLE : A SPECULATIVE ESSAY BY WAY OF AN INTRODUCTION}, volume = {1}, year = {1987} }