@article{oai:kobe-c.repo.nii.ac.jp:00002213, author = {別府, 恵子 and BEPPU, Keiko}, journal = {女性学評論, Women's studies forum}, month = {Mar}, note = {P(論文), もっともアメリカ人らしい作家とされるマーク・トウェイン。彼の彗星のような人生-ハレー彗星とともにこの世に生まれ、その再出現とともに世を去ったという(1835-1910)-には多くの謎に包まれた部分がある。南北戦争後の金メッキ時代をつぶさに生きた南部人でありながら、東部上流階級出身の淑女(レディ)オリヴィア・ラングドンと結婚、コネティカット州ハートフォードに邸宅を構え、黒人の使用人を有し、紳 士(ジェントルマン)としての生活を享受した「コネティカット・ヤンキー」でもあった。このヤンキーはまた、南北戦争後のアメリカの進歩と機械文明を信奉し、その恩恵を最大限に利用する一方、アーサー王伝説の時代にも憧れたロマンチスト、サミュエル・クレメンス/マーク・トウェインという二つの顔をもったアメリカ作家である。 トウェインの代表作といえば、永遠の少年をテーマにした『トム・ソーヤーの冒険』(1876)や『ハックルベリー・フィンの冒険』(1884)などがあげられるが、同時にまた史実に題材を求めた『王子と乞食』(1882)、『アーサー王宮廷のコネティカット・ヤンキー』(1889)、『ジャンヌ・ダルク回想記』(Personal Recollections of Joan of Arc,1896)など、いわゆる歴史小説を手がけている。これらの歴史小説は「センチメンタルな駄作」とされて文学的評価は必ずしも高くなかったが、最近ではその再評価が進んでいる。生涯、愛妻オリヴィアや三人の娘(スージー、クララ、ジーン)をはじめ多くの女性に囲まれて人生を過ごしたトウェインだが、不思議なことに女性特に大人の女性を描くことはなかった。そのマーク・トウェインが何故、殉教者・聖者として崇められるジャンヌ・ダルク(1412-1431)に魅了され、「個人的回想記」とする彼女の「伝記」を書いたのか、南北戦争後のアメリカという歴史/政治的コンテクストのなかで、その「謎とき」をするのがこの小論の目的である。その作業を通して、この歴史上の人物ジャンヌ・ダルクの表すシニフィエとは何か、特に現代社会におけるジャンヌ・ダルクという記号の表すものとは何かを考察したい。}, pages = {31--56}, title = {ジャンヌ・ダルク,両性具有の理想像 - マーク・トウェインの 「驚異の少女」}, volume = {11}, year = {1997}, yomi = {ベップ, ケイコ} }